【撮影歴7年】バスケ動画 撮影で失敗しない7つの工程

バスケの試合を撮ることになった。そう決まったとき、多くの方がまず調べるのは「どのカメラを買えばいいか」だと思います。

私も7年前、そこから始めました。そして遠回りをしました。

機材をそろえてから体育館に立って、初めて気づくのです。立つ場所が決まっていない。暗さに合わせた設定が分からない。電池が途中で切れる。撮ったはずの映像を見返してみると、ボールは映っているのに、誰が何をしたのかが伝わってこない。

この記事では、バスケの動画撮影を「7つの工程」に分けて、決める順番どおりに整理しました。撮影歴7年、バスケットボールの撮影だけを専業として続けてきた立場から、どの順で何を決めれば失敗しないのかをお伝えします。

それぞれの工程には、さらに詳しくお伝えしている記事があります。この記事はその入り口です。まずは全体の地図を手に入れてください。

この記事を書いたのは

まぐろさん

バスケ専門メディア。YouTubeチャンネル登録者10万人突破、総再生回数1.6億回超。7年間にわたりバスケットボールの撮影・編集・発信を専業として続ける。全国優勝経験のある強豪校への密着取材も多数実施。バスケ動画撮影・編集・配信のプロフェッショナル。

満員の観客が沸く高校バスケの試合を2階席から見下ろした全景

バスケの動画撮影は、決める順番で9割が決まります

最初にお伝えしたいことがあります。

撮影の出来を決めているのは、本番の腕前ではありません。体育館に入る前に、何をどの順番で決めておいたかで、ほとんどが決まります。

機材から入ると、たいてい遠回りになります

いちばん多い入り方が「まずカメラを買う」です。気持ちはとてもよく分かります。ですが、これは順番が逆です。

なぜなら、どんな機材が必要かは何に使う映像なのかで変わるからです。チーム内で試合を振り返るための記録映像と、選手を外に向けて紹介するための映像では、必要なものがまるで違います。用途を決めないまま機材を選ぶと、高いものを買っても目的に届かず、安いもので十分だった人が必要以上に出費することになります。

撮影は、7つの工程でできています

私が7年かけて整理した結果、バスケの動画撮影は次の7つに分解できました。上から順に決めていくと、前の工程が次の工程の答えを教えてくれます。

工程 決めること 決まらないと起きること
1 何に使う映像か 撮ったのに使い道がない
2 何で撮るか(機材) 買い直しになる
3 暗さへの合わせ方 暗い・選手がブレて溶ける
4 どこに立つか 選手が重なって見えない
5 構え方・振り方・ズーム 揺れる/選手が小さくて誰か分からない
6 電池・容量・保存 肝心の場面が撮れていない
7 ボール以外に何を撮るか 単調で最後まで見られない

この記事の使い方

上から順に読んでいただければ、撮影の全体像がつかめるように書いています。すでに撮っている方は、自分がつまずいている工程だけを読んでいただいても構いません。

各工程には、さらに詳しくお伝えしている記事へのリンクを置いています。気になったところから深く入っていってください。

まぐろさん

まぐろさん

カメラを選ぶ前に、決めておくことがあるまぐ。ここを飛ばすと、あとで全部やり直しになるまぐ…

【工程1】何に使う映像かを、いちばん先に決める

7つのうち、いちばん軽く見られていて、いちばん影響が大きいのがここです。

「何のために撮るのか」が決まっていない映像は、撮り終わったあとに使い道がなくなります。40分まわしっぱなしにした映像が何十本もたまって、結局どれも見返さないまま容量だけを圧迫していく。これは本当によく起こります。

用途は、大きく3つに分かれます

バスケの試合を撮る目的は、だいたい次の3つのどれかです。

①記録として残す|チームの歩みや、わが子の姿を残しておきたい。いちばん多い動機です。何年も経ってから見返すことが前提なので、上手さよりも「その日があったこと」が分かることのほうが大切になります。

②振り返りに使う|チームで見返して、次の試合につなげたい。ここで求められるのは、格好よさではありません。コート全体が途切れずに映っていることが最優先になります。5人の位置関係が見えなければ、戦術の話ができないからです。

③人に見てもらうために使う|選手を外に向けて紹介したい。進路のために送りたい。チームの活動を広く知ってほしい。このときだけは、見た目の質がはっきりと効いてきます。

用途が決まると、残りの6工程が自動的に決まります

たとえば②の振り返りが目的なら、コート全体を引きで押さえ続けるのが正解です。選手に寄る必要はありませんし、機材も高価なものは要りません。三脚を立てて定点で回しておくのが、いちばん目的に合っています。

ところが③が目的なら、話はまるごと変わります。引きっぱなしの映像では、誰が主役なのかが伝わりません。寄って、表情を追って、場面を選ぶ必要が出てきます。

つまり、同じ「バスケの撮影」という言葉でも、目的が違えば正解が正反対になるのです。ここを決めずに機材を買うから、遠回りになります。

工程1のまとめ
カメラを調べる前に、その映像を誰がいつ見るのかを1行で書き出してみてください。「3年後に自分と家族が見返す」でも「来週チームで見る」でも構いません。それが決まると、このあとの6つは驚くほどすんなり決まります。

なぜ映像を残すのかをもう少し深く考えたい方には、こちらの2本が参考になると思います。ミニバスの保護者の方は「撮っておけば…」と後悔する前に。ミニバス保護者が子供の動画を残すべき理由3選を、選手の進路を意識されている方は1本の映像で進路が変わる。バスケ選手が今すぐ動画を残すべき理由をどうぞ。

満員の会場で、試合前にカメラとバッテリーを準備している手元

【工程2】機材を選ぶ|スマホで足りる人と、足りない人

用途が決まったら、次が機材です。順番として、ここは2番目です。

スマホが苦しくなるのは「寄りたいとき」です

よくいただく質問が「スマートフォンでも大丈夫ですか」です。

答えは、工程1で決めた用途が①か②なら、スマートフォンで十分に成立します。記録として残すことや、チームで見返すことが目的なら、いま手元にあるもので今日から始められます。撮らないまま迷っている時間のほうが、よほどもったいない。

苦しくなるのは、プレーに合わせて寄ったり引いたりしたくなったときです。バスケはコートが広く、選手は常に動き回ります。スマートフォンでそれをやろうとすると、画面をピンチイン・ピンチアウトする操作になり、構えたまま片手で続けるのは現実的ではありません。

もうひとつが、長時間です。バッテリーの持ち、本体の発熱、保存容量。試合を頭から終わりまで撮り続けようとすると、このどれかに引っかかります。

機材を選ぶときの5つの基準

7年間撮影を続けてきて、選ぶときに見るべき点は次の5つに絞られました。

1. 何分続けて撮れるか|バスケは1試合で40分以上まわります。途中で切れる機材は、それだけで候補から外れます。

2. 暗い場所にどれだけ強いか|体育館は思っているより暗い場所です。ここが弱いと、設定でできることに限界が出ます。

3. プレーに合わせて、すぐ寄ったり引いたりできるか|バスケの撮影では、プレー中ずっと寄り引きを繰り返します。操作がもたつく機材では追いつきません。

4. 動きについていけるか|バスケは切り返しの速い競技です。ピントが遅れると、決定的な場面ほど合いません。

5. 一人で運んで、一人で扱えるか|どれだけ性能がよくても、重くて持ち出さなくなれば意味がありません。

この5つで見ていくと、高い機材ほど良いわけではないことが分かってきます。目的に対して過剰な機材は、単に重いだけの荷物になります。

7種類を比べて、分かったこと

ハンディビデオカメラ、スマートフォン、タブレット、アクションカメラ、一眼レフ、業務用の肩担ぎカメラ、そしてAIの自動追尾カメラ。バスケの撮影に使われる機材は、大きく7種類あります。

私はこのうち、ハンディビデオカメラ・スマートフォン・タブレット・一眼レフを自分で使い、ほかの機材は現場で使われているところを見てきました。それぞれの向き不向きと、どの用途なら選ぶ価値があるのかは、バスケ撮影のカメラはどれ?機材7種類を比較【失敗しない選び方】に全部まとめています。機材で迷っている方は、こちらを読んでから決めてください。

工程2のまとめ
いま持っているもので撮れるなら、まずそれで撮ってください。不満が出てから買い替えたほうが、自分に必要な性能がはっきり分かります。買ってから用途を考えると、たいてい合いません。

まぐろさん

まぐろさん

目で見てる明るさと、カメラが感じる明るさは別物まぐ。でも怖がらなくて大丈夫、順番さえ覚えればいいまぐ!

【工程3】体育館の暗さに、どう合わせるか

撮った映像を見て「なんだか暗い」「選手が溶けたようににじむ」と感じたことはありませんか。原因のほとんどは、この工程にあります。

体育館は、カメラにとっては暗い場所です

目で見ているぶんには、体育館は明るく感じます。ですがカメラにとっては、屋外のグラウンドとは比べものにならないほど暗い場所です。

とくに古い体育館や、照明を落とした会場では、暗さに弱い機材だとノイズが乗り、映像がざらついてしまいます。だからこそ、設定を決める順番を知っておく必要があります。

決める順番は、シャッタースピード → 感度 → 明るさ

カメラの設定というと項目が多くて身構えてしまいますが、動きのある競技で優先すべき順番は決まっています。

最優先はシャッタースピードです。ここが足りないと、走っている選手やボールが流れて、輪郭がにじみます。「画質が悪い」と感じている映像の多くは、実はここが原因です。バスケは走って止まって跳ぶ競技なので、ここを最初に決めます。

次が感度(ISO)です。シャッタースピードを確保すると、そのぶん画は暗くなります。その不足を感度で補います。ただし上げすぎると、ざらついたノイズが乗ります。どこまで上げて許容するかは、使っている機材によって変わります。

最後が、レンズの明るさ(F値)です。これは撮影中に動かすというより、機材を選んだ時点でほぼ決まっている部分です。工程2で「暗い場所への強さ」を見るべきと書いたのは、この理由からです。

フルオートで撮ると、なぜうまくいかないのか

カメラは、明るく写すことを優先します。暗い体育館では、カメラは自動的にシャッタースピードを遅くして光を取り込もうとします。その結果、画面は明るくなるのに、動いている選手だけがぶれて流れるのです。

つまりフルオートは、間違っているのではなく、バスケの撮影とは違う目的のために最適化されているということです。だから、こちらから指示を出す必要があります。

具体的な数値は、機材とその日の会場によって変わります。この記事では考え方までをお伝えしました。現場でどう詰めていくかは、次にお伝えする予定の設定の記事で扱います。

工程3のまとめ
暗さは「明るく写す」ことで解決しません。動きを止めることを先に決めて、足りない明るさをあとから補う。この順番だけ覚えて帰ってください。

満員の観客席に座り、沸き立つ試合を撮影している後ろ姿

【工程4】どこに立つかで、映像は一段変わる

ここは、お金をかけずに映像が最も変わる工程です。機材を買い替えるより先に、試してみてください。

まず、センターラインの延長線上に立つ

最初に決めるのは、コートの左右どちら寄りでもない、センターラインの延長線上です。

バスケは前半と後半で、攻めるリングが入れ替わります。片方のリングに寄った場所から撮っていると、前半と後半でリングまでの距離が変わり、同じ試合なのに映り方が違う映像になってしまいます。センターラインの延長線上なら、左右どちらのリングへも距離が同じ。両チームを公平に撮れるのです。

選手と同じ平面からは撮らない

いちばん多いのが、コートサイドで選手と同じ高さから撮る形です。ですがこの高さで撮ると、大きな問題が起きます。

選手同士が重なって、誰がどこにいるのか分からなくなるのです。バスケットボールは10人が狭いコートに密集する競技です。同じ目線の高さから撮ると、手前の選手が奥の選手を隠してしまいます。ボールを持った選手が人の陰に入り、肝心の場面が見えなくなる。

高さを取れる場所は、たいていの会場にあります

そのうえで、高いところから撮ることです。高さがあるだけで選手の重なりがほどけて、コートの奥行きが見えるようになります。

観客席や2階席、ステージの上、そして意外な盲点になっている場所。会場のどこを探せばいいのか、それぞれの高さで映像がどう変わるのかは、【撮影歴7年が解説】ハイライト用バスケ映像が劇的に変わる3つのベストポジションで詳しくお伝えしています。

この工程は、いま持っている機材のままで実行できます。次に体育館へ行くとき、座る前に一度だけ会場を見回してみてください。それだけで映像が変わります。

まぐろさん

まぐろさん

7年間、一度も三脚を立ててないまぐ。意地じゃなくて、ちゃんと理由があるまぐ!

【工程5】どう構えて、どう追うか

立つ場所が決まったら、次は構え方です。

私は、三脚を使っていません

7年間、一度も三脚を立てずに撮ってきました。意地を張っているわけではなく、理由があります。

ひとつは、三脚では個人を追いかけられないからです。もうひとつは、いちばん良い場所ほど、三脚を立てられない場所だからです。通路や階段、人が通る場所には立てられません。良い高さを見つけても、三脚があると諦めることになります。

ただしこれは、工程1で③を選んだ場合の話です。②の振り返り用として定点で回すなら、三脚は有効です。ここでも用途が判断を決めます。

腕で振らず、体で振る

手持ちで撮ると聞くと、ブレが心配になると思います。ここには、はっきりとしたコツがあります。

基本は、座って撮ります。背面の液晶モニターを見ながらカメラを両手で構えると、自然と脇が締まり、両肘が体に固定されます。自分自身が三脚になるイメージです。そしてカメラを振るときは腕を動かさず、上半身ごと回すのです。腕で振ると、必ず揺れます。

そしてもうひとつ、あまり語られない事実があります。いちばんブレるのは、その日の最後の試合です。技術の問題ではなく、単に疲れているからです。だから座って撮るのが基本で、疲れない構えそのものが最大のブレ対策になります。

この5つの理由と、2種類の手ブレの見分け方は、1日6試合でも三脚を使わない理由5選|バスケ撮影の手ブレを止める方法にまとめました。

ズームは、プレーに合わせて寄って、戻す

もうひとつ、大事なことがあります。ハイライトの撮影では、ズームをよく使います。バスケはコートが広く、選手は常に動き回ります。プレーに合わせてパッと寄って、パッと戻す。この寄り引きを、試合のあいだずっと繰り返します。

だから機材を選ぶときも、ズームを素早く操作できるかどうかが大事になります。スマートフォンが試合の撮影で苦しくなるのは、まさにここです。

工程5のまとめ
座って、脇を締める。腕ではなく上半身ごと振る。ズームは、プレーに合わせてパッと寄って、パッと戻す。道具を買う前に、まずこの3つを試してみてください。

満員の会場で、試合の合間に予備バッテリーを確認している手元

【工程6】撮り逃さないための準備

ここまでの5工程がすべて完璧でも、この工程を落とすとゼロになります。

撮影でいちばん困るのは、下手に撮れていることではなく、撮れていないことです。

電池は「1試合=1個」で数える

高校生以上のカテゴリーなら、10分を4クォーターで40分。前後の場面を入れると1試合でおよそ45分の映像になります。この45分で、バッテリーは1個をほぼ使い切ります。

そして大事なことがひとつ。試合中にバッテリーは交換できません。ボールがラインを割った程度の中断では、電源を落として立ち上げ直す時間が取れないからです。交換できるのは、クォーターの合間と、試合と試合のあいだだけ。始まってから何とかしようと思っても、そのときには手遅れです。

必要な個数の数え方、残量を見ずに替えるという運用、2日間の大会でどこで充電するかは、バスケ動画の撮影でバッテリーは何個必要? 撮り逃さない5つのルールにまとめています。

データは、1枚のカードに集中させない

撮り終えたら終わりではありません。私は、2日間8試合ぶんの映像がまるごと消えかけたことがあります。北海道まで行って撮った映像です。

原因は、2日分のデータを1枚のカードに集中させていたことでした。注意力の問題ではなく、運用の問題だったのです。カードを分けておけば、何かが起きても失うのはその分だけで済みます。そして完成した映像は、ハードディスク2台に残しておく。この運用があるかないかで、結果がまるごと変わります。

そのときに何が起きて、どう対処したのかは2日間8試合が消えかけた実話|バスケ動画 撮影の失敗2つと対策3つに書きました。同じ思いをしてほしくないので、正直に全部書いています。

工程6のまとめ
当日の自分に判断させないことです。撮影中は集中していて、細かい判断をする余裕がありません。前もって決められることは、全部前もって決めておく。それだけで防げる失敗があります。

まぐろさん

まぐろさん

ここが一番おもしろいところまぐ!ボールばっかり追ってるうちは、まだ半分まぐ

【工程7】ボール以外を撮ると、映像が化ける

最後の工程です。ここが、記録映像と「見てもらえる映像」を分けています。

シュートが決まった瞬間、あなたはどこを映していますか

ほとんどの方は、ボールを追います。カメラはリングへ向き、ネットが揺れるところを映して、そのまま次の攻撃へ。自然な動きです。

ですが、ここでカメラを少しだけ戻してみてください。シュートを決めた選手のところへ、カメラを返すのです。

ボールが入る瞬間だけを映した映像では、誰が決めたのかが伝わりません。決めた選手の表情や、仲間と喜ぶ姿まで映して、ようやくひとつの場面になります。得点は結果で、物語はそのあとにあるのです。

試合が動いていない時間にも、撮るものがあります

ベンチの様子、タイムアウトで円になっているところ、試合前の整列、終わったあとの挨拶。プレー以外の時間にこそ、その日の空気が出ます。

ずっとボールだけを追った40分の映像は、見返すと単調です。逆に、プレー以外が少し混ざっているだけで、最後まで見られる映像になります。

このカメラの返し方と、やろうとしたときに起きがちな失敗については、【登録者10万人が実践】バスケ映像がプロに近づくたった1つの撮影手法「リアクションショット」で詳しくお伝えしています。

まぐろさん

まぐろさん

相談されるのは、だいたいこの3つまぐ。でも原因は、みんなが思ってる場所にないまぐ…

よくある3つのつまずきと、その本当の原因

ご相談をいただく内容は、だいたい3つに集約されます。そしてどれも、原因は思っているところにありません。

つまずき1|暗い、選手がにじむ

まず、設定をカメラ任せにしていないかを確認してください。カメラは明るく写そうとしてシャッタースピードを遅くするので、動いている選手だけが流れてしまいます。それでも暗いなら、次に疑うのは機材の暗さへの強さです。工程3と工程2を見直してみてください。

つまずき2|見ていられないほど揺れる

三脚がないせいだと思われがちですが、多くは腕で振っているせいです。脇を締めて体ごと回す。それでも揺れるなら、次に疑うのは疲労です。重い機材を長時間持つほど、後半の映像は荒れます。

つまずき3|撮ったのに、見返さない

これがいちばん多く、いちばん根が深いつまずきです。原因は工程1にあります。

誰がいつ見るのかを決めずに撮った映像は、撮った本人も見返しません。40分まわしっぱなしの映像を、誰が最後まで見るでしょうか。撮影の技術ではなく、目的の設計の問題です。

3つに共通していること
つまずきの原因は、たいてい1つ前の工程にあります。うまくいかないと感じたら、その工程を細かく直すより、ひとつ手前に戻ってみてください。

あなたの現在地はどこですか|3タイプ別の次の一手

ここまで7つの工程をお伝えしてきました。全部を一度にやろうとしなくて大丈夫です。いまの状況によって、手をつけるべき場所が違います。

タイプA|スマートフォンで撮っている

次の一手は、工程4の立ち位置です。

機材を買う前に、撮る場所を変えてください。同じスマートフォンでも、センターラインの延長線上の、高さのある場所から撮るだけで映像は明確に変わります。お金は1円もかかりません。それで満足できるなら、買い替える必要はありません。

タイプB|カメラを買ったばかり

次の一手は、工程3の設定です。

せっかくの機材も、フルオートのままでは体育館の暗さに負けます。動きを止めることを優先する。その考え方だけ持って、次の試合で試してみてください。

タイプC|何試合か撮ってきた

次の一手は、工程7です。

撮ることには慣れてきたのに、映像が単調に感じる。その段階に来たら、ボール以外を撮ってください。ここから先が、記録映像と作品の分かれ目です。

7つの工程を、現場で再現できるところまで
バスケットボール
ハイライト映像のつくり方 〜撮影編〜

この記事でお伝えしたのは、7つの工程の全体像です。
会場での許可の取り方、暗さへの合わせ方、立ち位置の決め方、カメラの返し方、当日のトラブル対処まで。順番に読むだけで現場で迷わなくなる形で、全8章・84ページにまとめました。

✓ 撮影が未経験でも一人で撮れることを前提に構成
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よくある質問

Q. 撮影は未経験でも大丈夫でしょうか。

A. 大丈夫です。この記事の7工程は、すべて未経験の方を前提に並べています。

Q. 試合を撮るのに、許可は必要ですか。

A. 会場や大会によってルールが異なります。撮影そのものが禁止されている大会もありますし、撮影できる場所が指定されていることもあります。事前に主催者へ確認するのが確実です。撮ったあとに公開する場合は、映っている選手やご家族への配慮も必要になります。

Q. カメラの予算はどのくらい見ておけばいいですか。

A. 用途によります。記録や振り返りが目的なら、いまお持ちのスマートフォンで始めてください。外に向けて発信することが目的になったとき、はじめて機材を検討する段階です。

Q. 一人で撮るのは無理がありますか。

A. 一人で撮れます。私も一人で撮り続けてきました。複数人いる前提の撮り方と、一人で撮る前提の撮り方は別物です。一人なら一人のやり方があります。

Q. 編集までしないと意味がないですか。

A. そんなことはありません。撮りっぱなしでも、工程1で用途が決まっていれば十分に使えます。ただし、人に見てもらうことが目的なら編集は効いてきます。

まとめ|7つの工程をもう一度

最後に、この記事でお伝えしたことをまとめます。

  1. 何に使う映像かを決める|ここが決まらないと、あとの6つが決まりません
  2. 機材を選ぶ|高いほど良いのではなく、用途に合うかどうかです
  3. 暗さに合わせる|動きを止めることを先に決めて、明るさはあとから補う
  4. 立つ場所を決める|センターラインの延長線上で、高さを取る
  5. 構えと振り方|座って脇を締め、上半身ごと振る。プレーに合わせてズームで寄り引きする
  6. 撮り逃さない準備|電池は1試合1個。データは1枚のカードに集中させない
  7. ボール以外を撮る|決めた選手にカメラを返す。そこに物語があります

どれも派手な技術ではありません。ですが、この順番で決めていけば、初めての方でも見られる映像になります。私が7年かけて遠回りした道を、あなたが同じように歩く必要はないと思っています。

選手が体育館で見せた輝きは、その日限りのものです。撮り直しはききません。だからこそ、完璧を目指すより、次の試合から撮り始めてほしいのです。

まぐろさん

まぐろさん

完璧に準備してから撮ろうとすると、たぶん一生撮らないまぐ。今週の試合から撮ってほしいまぐ!

7年間でたどり着いた「最適解」を、84ページに
バスケットボール
ハイライト映像のつくり方 〜撮影編〜

選手の輝きを映像で残したいと思ったら、いま始めるのがいちばん早いタイミングです。この記事の7工程を、実際の現場でそのまま再現できるところまで掘り下げてまとめました。

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